2021年度 商店街振興に関する自治体実態調査

2021年 | 商店街振興に関する自治体実態調査 概要

調査目的
各自治体における商店街振興に関する取り組み状況の実態把握を行うための調査です。
あわせて、本調査結果を今後の地域振興プロモーション活動などにお役立ていただくことも目的としています。

※2018年(平成30年)度より「観光プロモーションに関する自治体実態調査」を継続的に実施しておりますが、2021年(令和3年)度は新型コロナウイルスによる影響が大きく、定点測定が困難な状況だったため、この年に限り「商店街振興に関する実態調査」を実施いたしました。

調査期間
令和3年5月11日~令和3年7月9日

調査対象
全国1,741自治体

調査方法
全国の自治体(市町村および東京23区)の担当部署に郵送・メール・FAXで調査依頼を発信
回答は郵送、Webのフォーム、FAXにて回収し単純集計

回収状況
回収数:942票
回収率 53,1%

本調査結果は一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団がウェブとFAXでアンケートを実施し、財団シンクタンクである日本観光推進総合研究所が回答者を特定されない形で集計加工したデータであり、一定数以上の回答を得られた情報を掲載しています。

過去のデータは、自治体実態調査」でご覧になれます。

出典:一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団/日本観光推進総合研究所

01.地元商店街の課題

地元商店街の課題についての内訳

地元商店街の課題を示す棒グラフ。空き店舗の増加、各店の後継者不足、大型店への客集中、高齢化による来客頻度の減少などが主な課題として挙げられています。
地元商店街の課題(上位5選)
空き店舗の増加568
各店の後継者不足531
郊外やロードサイドなどの大型店に客が集中してしまう473
高齢化により買い物の全体的な回数(来客頻度)が減少している274
公共交通によるアクセス117

その他の主な回答
魅力の低下
活気がない
人口減少
ECの普及による来店数の減少
店舗の老朽化
住宅併用店舗の活用
商店の住宅化
居住地域の拡大
空き地の増加
アーケードの維持
観光客の誘致
回遊性の向上
デジタル化の遅れ
担い手不足
にぎわい創出の人材不足
商店街会員の加入減少
ニーズを捉えた変化ができていないこと
取り組みに対する事業者間の意欲の差
ポイント

●地元商店街の課題として、自治体より2,259件(のべ回答数)が寄せられている。そのうち最も多かったのが「空き店舗の増加」であり、568の自治体(回答数全体の25.1%。以下同様)により指摘されている。

●次いで多かったのが「各店の後継者不足」であり、531の自治体(23.5%)が事業継承の問題を挙げている。商店街事業者の多くが家族経営による個人事業者であり、住居を兼ねた店舗で多業種の事業が営まれているが、子ども世代の転出や他業種への就業によって継承が困難となっている事業者が多く、空き店舗化の内的要因となっている。また、「郊外やロードサイドなどの大型店に客が集中してしまう」という外的要因も473の自治体(20.9%)が指摘しており、こうした後継者問題と大型小売店の立地による顧客の流出が二大要因となり、先の「空き店舗の増加」に至っているものと考えられる。

●また、回答件数が274(12.1%)と4番目に多かった「高齢化により買い物の全体的な回数(来客頻度)が減少している」については、超高齢化社会となった現代日本の人口構造に由来する外的要因によるものといえ、商業活動にとどまらず、国内産業全体で近年顕著となっている消費低迷の問題が象徴的に示されている。ここでは「買物難民」ともいわれ、身近な生活圏での購買活動が困難となりつつある切実な状況も捉えられる。

●続いて、「公共交通によるアクセス」「駐車場不足」という二つの課題からは、移動手段やアクセス性の確保がかなり共通性をもった商店街振興の課題としてあることが分かる。

02.コロナ禍による商店街の影響

コロナ禍による商店街の影響についての内訳

新型コロナウイルスの影響による商店街の状況を示す円グラフ。外出自粛による悪影響、観光との連携による影響、影響の把握が難しい、変化なし、近隣での買い物需要増などが示されています。

N=856

回答数
外出自粛などにより悪影響552
観光と連携しており悪影響131
把握していない96
あまり変わらない74
むしろ近隣での買い物需要が増えて好影響3
ポイント

●コロナ禍による商店街への影響について、回答した856の自治体のうち、552の自治体(回答自治体数の64.5%。以下同様)が「外出自粛などにより悪影響」があるとしており、「観光と連携しており悪影響」と回答した131の自治体(15.3%)を合わせると、全体の8割近くを占めている。これまで利用者の訪問、店舗での対面販売を基本的な事業収益としており、そうした商店街の事業形態がコロナ禍ではマイナス要因となって事業活動の抑制につながっている。

●一方で、「把握していない」という自治体が96(11.2%)、また「あまり変わらない」とする自治体も74(8.6%)とそれぞれ一定数みられ、近隣住民の幅広い生活ニーズに応えてきた商店街の役割・機能が、コロナ禍においても十分に発揮されているのか、またはいないのか、発揮されていないとすれば何が支障となっているのかなど、より詳しい実態把握の必要性がある。

03.商店街における多言語案内の対応状況(パンフレットやサインなど)

商店街における多言語案内の対応状況についての内訳

円グラフが示す商店街における多言語案内の対応状況。パンフレットやサインなどの多言語対応がどの程度行われているかを示しています。

N=856

回答
対応していない419
一部で対応している263
把握していない166
概ね全体的に対応している8
ポイント

●商店街の多言語案内の対応について、856の自治体より回答を得ている。そのうち「概ね全体的に対応している」のは8つの自治体(回答自治体数の0.9%。以下同様)であり、「一部で対応している」とする263の自治体(30.7%)を合わせても271の自治体にとどまり、全体の3割程度の対応状況となっている。

●他方で、「対応していない」という自治体が419(48.9%)と、全体の半数近くに達している。また「把握していない」と回答した自治体の166(19.4%)を合わせると7割近くを占めることになり、依然として国際化や観光振興とのタイアップが進んでいない国内の商店街振興の実情が示されている。

04.商店街におけるキャッシュレス対応の整備状況

商店街におけるキャッシュレス対応の整備状況についての内訳

円グラフが示す商店街におけるキャッシュレス対応の整備状況。キャッシュレス決済の導入状況を示しています。
ポイント

●キャッシュレス対応の整備状況について、回答した857の自治体のうち、「概ね全体的に整備されている」という自治体は23(回答自治体数の2.7%。以下同様)にとどまる。「一部で整備されている」とする自治体が589(68.7%)と、全体の7割近くを占めており、コロナ禍で期待されているキャッシュレス対応であるが、総じて導入段階にあるといえる。

●また、「整備されていない」という自治体が109(12.7%)、「把握していない」と回答した自治体も136(15.9%)とそれぞれ一定数みられる。

キャッシュレス対応の整備をされていない理由についての内訳

棒グラフが示すキャッシュレス対応の整備をされていない理由の内訳の棒グラフ。キャッシュレス決済を導入していない理由を示しています。
その他の回答
入金までの資金繰り
ランニングコストの不安
取引安全性の不安
商店街の店主および客層の高齢化者が多い
現金利用者が多い
ポイント

●整備されていない理由については、自治体より1,353件(のべ回答数)が寄せられている。そのうち「端末使用に対する不安や苦手意識」を450の自治体(回答数全体の33.3%。以下同様)が挙げており、端末使用の問題が全体の3割ほどを占めている。次いで、「手数料が高い」というランニングコストの問題を253の自治体(18.7%)が、また初期投資の問題についても「導入のイニシャルコストが高い」として142の自治体(10.5%)が指摘しており、商店街でのキャッシュレス導入に際しては、諸経費の負担も阻害要因となっていることが分かる。

●続いて、現金による仕入・販売形態で発展してきた歴史ある商店街が国内には数多く、「現金以外の取り扱いに対する拒絶」について191の自治体(14.1%)が挙げている。利用者を含んだ商圏全体のキャッシュレス導入への総合的な施策が必要とみられる。「理由はない/わからない」という自治体が151(11.7%)、「特に必要性がない」とする自治体も136(10.1%)といずれも一定数を占め、今後のキャッシュレスの導入・拡大に向けては、詳しい情報提供やサポートの必要性がある。

05.商店街におけるIoT(Internet of Things)の対応状況

商店街におけるIoTの対応状況についての内訳

円グラフが示す商店街におけるIoTの対応状況。IoT技術の導入状況を示しています。

N=853

回答数
対応していない422
把握していない285
一部で対応している142
概ね全体的に対応している4
ポイント

●超高齢化社会において、IoTは高齢者の見守りや介護など、その大きな可能性が期待されている。商店街での対応状況としては、回答した853の自治体のうち、「概ね全体的に対応している」のは4つの自治体(回答自治体数の0.5%。以下同様)にとどまり、「一部で対応している」とする142の自治体(16.6%)を合わせても146の自治体(17.1%)と、全体の2割にも達していない状況である。

●また、422の自治体(49.5%)が「対応していない」と回答しており、未対応の自治体がほぼ半数を占めている。「把握していない」という自治体も285(33.4%)にのぼっており、8割以上の自治体が手つかずの状態にあることになる。商店街事業者の連携や利用者のニーズの把握、サービスの充実など、IoTの活用によって商店街の役割・機能を高めていく施策が急がれる。

06.商店街から自治体への要望や問い合わせ

商店街から自治体への要望や問い合わせについての内訳

棒グラフが示す商店街から自治体への要望や問い合わせの状況。自治体への主な要望や問い合わせの内容を示しています。"
その他の回答
金銭的支援
イベント支援
クーポンやプレミアム付き商品券の発行
空き店舗対策
後継者対策
消費喚起
集客および商店街の活性化
トイレ・駐車場・街路灯など施設の整備
防犯カメラの整備など安全性
商店街組織の運営
大型店舗の建設規制
コロナ対策
商店街として課題が多く、どこから手をつけていいか分からない
ポイント

●商店街から自治体への要望、問い合わせについて、1,260件(のべ回答数)が寄せられている。このうち、「支援制度の照会(GoTo商店街など)」を挙げている自治体が329(回答数全体の26.1%。以下同様)と最も多く、支援への要望が全体の約4分の1を占めている。

●次いで「施設の老朽化対応」が208の自治体(16.5%)、「駐車場の整備」が64の自治体(5.1%)、「駐輪場の整備」が8つの自治体(0.6%)となっており、商店街とその付随施設など、ハード整備への要望も多く出されていることが分かる。

●続いて、「PR促進」であり、147の自治体(11.7%)で商店街の利用促進につながる情報発信に関する要望が寄せられている。コロナ禍に入ってインターネットを用いた電子商取引が急増しており、その環境整備に向けた「決済システムの導入支援」や「Wi-Fi環境の整備」への要望も一定数みられる。

●このほか、近年のインバウンド観光の興隆や外国人労働者の雇用を背景として「多言語対応に関する支援」などもみられ、多種多様な商店街の要望・ニーズが示されている。

●一方で、「特になし」と回答した自治体が280(22.2%)と2割以上を占めており、事業者独自で取り組みが進められているのか、または事業活動が縮小低迷していることによるものであるのか、より詳しい商店街の実態把握が必要である。

07.自治体・観光協会・商工会などのWebサイトにおける集客や活性化を目的にした商店街の紹介状況

自治体・観光協会・商工会などのWebサイトにおける集客や活性化を目的にした商店街の紹介状況についての内訳

自治体、観光協会、商工会などのWebサイトにおける商店街の紹介状況を示す円グラフ。各セクターは異なる紹介手段などを表しています。

N=834

回答数
紹介する予定はない327
紹介している(日本語のみ)319
紹介を検討中115
紹介している(多言語で)73
ポイント

●Webサイトでの商店街の紹介状況について、834の自治体のうち「紹介している(日本語のみ)」が319の自治体(回答自治体数の38.2%。以下同様)、「紹介している(多言語で)」が73の自治体(8.8%)となっており、すでに日本語または多言語で商店街の情報発信がなされている自治体が半数近くを占めている

●一方で、「紹介を検討中」としている自治体が115(13.8%)みられ、「紹介する予定はない」と回答した自治体も327(39.2%)と4割近くを占めている。商店街振興に向けたWebサイトの活用は道半ばであるといえ、成功事例を含めた情報提供や導入コストを抑えたサポートの必要性がある。

08.商店街利用促進のための施策

商店街利用促進のための施策についての内訳

商店街利用促進のための各種施策の効果を示す棒グラフ。各棒は異なる施策を表し、その高さは施策の効果を示しています。
その他の回答
補助金交付
商品券の発行
プレミアム付き商品券の発行
ポイントカードの導入
スタンプ制度の導入
クーポンの発行
クーポンアプリの導入
共同売り出し
キャッシュレス導入キャンペーン
情報発信
商店街デジタルマップ
情報案内所の設置
大型公共施設の整備や誘致
ワークショップ
講習会や研修会の開催
インターン受け入れ
ナイトエコノミー創出
チャレンジショップ出店支援事業
中小企業診断士による無料商業相談
休眠不動産の見学相談会
商店街利用促進策を全国から公募(GoTo商店街事業)
活性化計画策定
コロナ対策支援
ポイント

●商店街の利用促進に向けた施策として、1,474件(のべ回答数)が寄せられている。最も多かったのが「イベント」であり、362の自治体(回答数全体の24.6%。以下同様)となっている。次いで多かったのが「空き店舗やシャッター商店街への対策」であり、回答した331の自治体(22.5%)において空き店舗化の改善に向けた諸施策が進められている(⇒09へ)

●また、「チラシ作成などアナログなPR」が187の自治体(12.7%)で、「SNSなどによるデジタルなPR」が138の自治体(9.4%)で行われ、両者を合わせると全体の2割以上の自治体で何らかの情報発信が試みられている。続いて、「ポイント制度の導入」が108の自治体(7.3%)で、「地域通貨の導入」が57の自治体(3.9%)で進められており、ポイントや地域通貨をインセンティブとした集客の回復、域内循環が模索されている。そのほか、多種多様な施策が全国の自治体で試みられている。

一方で、「特になし」と回答した自治体が141(9.6%)みられ、全体の1割近くを占めている。

09.空き店舗やシャッター商店街への具体的な対策

支援補助対策について

•空き店舗を活用する事業者への一部または全部の補助(諸条件付き)
(※ 267件の回答あり)
➡ 補助内容・・・家賃、改装費・改修費、設備費、移転費、広告宣伝費など
➡ 補助対象・・・新規創業者、新規出店者、創業の浅い事業者、商工会会員など

•イベントや商店街の活性化を図るために実施する事業への補助
•商店街が管理する街路灯や各施設や共同施設などに対する補助
•新規創業支援、起業促進支援、事業継承支援、後継者確保への取り組み
•経営など専門的な相談対応、電話相談窓口の開設

ポイント

08.の「空き店舗やシャッター商店街への対策」に続く質問項目であり、そこでの具体的な対策が数多く寄せられている。まず事業者への「支援補助」であり、諸費用や街路灯・関連施設の整備といったハード整備への財政補助とともに、ソフト面についても創業・事業継承への支援や経営相談などがなされている。

事業対策について

•イベントの実施、賑わい創出
•商品券の発行、スタンプやポイント制度の導入、地域通貨の導入
•ワークショップ、空き店舗見学ツアー、事業者誘致
•ビジネスプランコンテスト、チャレンジショップ(起業体験促進)
•リノベーション、シャッターアート、ウォールアート
•地元の産品を使った商品開発、市内の高校と連携し学生主体の店舗を出店
•コミュニティの場や情報発信の場として空き店舗を活用

ポイント

●自治体による「事業」もある。イベントの実施や商品券の発行、スタンプやポイント制度、地域通貨の導入がある。またワークショップ、見学ツアー、ビジネスプランコンテスト、起業体験が実施されており、リノベーション、アートとのコラボレーションなどが試みられている。さらに、地元産品を使った商品開発、地元学生による出店のほか、コミュニティの交流場所、情報発信の場としても商店街の空き店舗が活用されている。

情報発信対策について

•空き店舗のデータベース公開、空き店舗と出店希望者とのマッチングサポート
•商店街のHP作成、空き店舗マップ作成
•広報媒体などを利用した店舗の募集、制度活用や取り組みのPR

ポイント

●「情報発信」面の対策では、空き店舗のデータベースの公開や、出店希望者とのマッチングサポートとともに、商店街のウェブサイト、空き店舗マップが作成されている。店舗の募集、制度の活用や取り組みをPRしていくなど、積極的な取り組みもみられる。

人材対策について

•専門家派遣、人材の育成・募集・確保、タウンマネージャーの設置
•地域おこし協力隊による活動

調査について

•空き店舗の状況把握、間借り可能な店舗の掘り起こし
•ニーズや課題の抽出

※ 自由記述いただいた回答を整理して掲載しています。

ポイント

●このほか、専門家の派遣や、人材の育成・募集・確保、タウンマネージャーの設置、地域おこし協力隊による活動を通して「人材」面の対策がなされている自治体もある。商店街の「調査」を挙げている自治体もあり、主体的に空き店舗や利用可能な店舗の調査、ニーズや課題の抽出がなされている。

10.商店街に対する独自の助成事業の実施状況

商店街に対する独自の助成事業の実施状況についての内訳

商店街に対する独自の助成事業の実施状況を示す円グラフ。各セクターは助成事業の実施状況を表しています。

N=846

回答数
実施している497
実施する予定はない279
実施を検討中51
実施していたが中断している19
ポイント

●自治体独自の助成事業について、846の自治体のうち、まず「実施している」という自治体が497(回答自治体数の58.7%。以下同様)と、全体の6割近くを占めている。一口に商店街といっても、その形成過程、商圏の規模、機能性、現況がそれぞれ異なっており、先の 9.の質問項目で示された対策など、いくつかの施策を組み合わせながら地元商店街の実情に即した対策が各自治体で試みられている。

●その一方で、「実施していたが中断している」と回答した自治体が19(2.2%)、「実施を検討中」の自治体が51(6.0%)みられ、「実施する予定はない」という自治体も279(33.0%)と全体の3割以上を占めており、助成事業の促進に向けた自治体への情報提供やサポートが急がれる。

11.その他のご意見

  • 例年、商工会に対しプレミアム商品券の還元率分の補助交付を行っているが、事業に対しマンネリ化感が否めない。
  • 個人商店の高齢化による市内消費の将来的な落ち込みが懸念される。
  • 商店街というものが存在せず、通りを中心として商店会となっている。
  • 店主の高齢化により、時代にあったビジネスモデルへの対応(キャッシュレス化や商品の差別化、ECサイト併用など)が困難となり、全体的な活力が失われている。
  • 商店街は店主の高齢化や跡継ぎ不足が深刻化しており、母屋と店舗が一体となった空き家が点在している。そういった空き家の利活用が大きな課題。
  • 商店街の事業主の多くが高齢であり、キャッシュレス決裁などへの対応が難しくなっていたり、後継者がいないなどの理由で休廃業するところが増えてきている。
  • 空き店舗の活用が進まないのには、家賃が高いことにあること、外部からの新しい提案に拒否感があり、若い世代の新しい取り組みを応援する体制が地域にない。
  • 地域全体でエリアのリノベーションを行いたいところだが、地域再生の意識の醸成が困難である。
  • 他の自治体の商店街振興に関する取り組みや課題について情報を求めている。
  • 過去は組合などもあり事業活動が多数行われていたが、現在は解散している組合が多く組合があまり残っていない。
  • コロナウイルスの影響も各商店個別に受けているため、商店街としての影響は把握できていない。
  • 現状をいかに維持するかが今の課題です。
  • 現在商店街組織が無いため、インバウンドやキャッシュレス等の取り組みも個別の商店が各自必要に応じ行っている。
  • 近隣市町村も含め、地域の経済を支える人口が減っているため自治体単独ではなく広域的な考え方が必要。
  • ポイント制度を続けてきたが、収支悪化予測から終了した。
  • コロナ禍の影響下にある事業者自身が、前向きに事業継続に取り組めるような各種補助策にプラスした支援策を打ち出す必要がある。
  • 商店街としてのコミュニティーも弱まり、地域としての新たな取り組み意欲も見られない状況となっている。
  • 空き店舗の活用も、店舗と住居部が一体化している店舗が多く、店舗部のみを貸し出すということも困難になっている。
  • 街の中央部以外での買い物ができなくなってきていることから、買い物弱者増加の懸念がある。
ポイント

●地元商店街についての「その他のご意見」である。日本全体が人口減少社会、超高齢化社会に入ったといわれて久しく、記載内容からは、基礎自治体においても「少子高齢化・転出超過」による人口構造の歪みが商店街振興に際して大きなハードルとなっていることが分かる。「現状をいかに維持するかが今の課題です。」「近隣市町村も含め、地域の経済を支える人口が減っているため自治体単独ではなく広域的な考え方が必要。」との記載内容が国内の厳しい現状をよく物語っており、新たな技術を活かしながら、商店街の土台としてある地域のコミュニティを、また地域内・地域間の相互補完的ネットワークを再形成していくことが急務の課題である。

出典:一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団/日本観光推進総合研究所
「2021年商店街振興に関する自治体実態調査」

過去のデータは、自治体実態調査でご覧になれます。